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クリプトスポリジウム

クリプトスポリジウムとは

クリプトスポリジウムは胞子虫類に属する寄生性の原虫です。主にヒト型、ウシ型、ブタ型等があり、ヒトに感染すると、水様性の下痢や発熱を引き起こし、免疫不全者(特にAIDS患者等)、老人および乳幼児などで死亡事例が報告されています。
国内外で多くの感染事故例が報告されており、その3/4がヒト型、1/4がウシ型からの感染と言われております。わが国では、神奈川県(1994年)、埼玉県(1996年)、北海道(2005年)、千葉県(2006年)の報告があります。

クリプトスポリジウムは、塩素等に高い抵抗性があるため、水の安全性に対し大きな脅威となっています。


遺伝子検出法の特長

遺伝子検出法(RNAおよびDNA検出法)を用いることにより、環境水・飲料水の極微量から、下水・下水処理水・畜産排せつ物・底泥等の高濃度までのクリプトスポリジウムの検出が可能です。

1.RNA検出法

・RNA定量キットによりヒトに感染を有するクリプトスポリジウム パルバムを特異的に検出できます。
RNA定量キットは、核酸検出法の採用により、即日報告が可能です。(RNA検出法:5時間程度/検体)。
・RNA定量キットの検出感度は、クリプトスポリジウム1個のクリプトスポリジウムを検出することが可能です。


2.DNA検出法

・遺伝子解析法(DNA)の採用により、クリプトスポリジウムの種および株の判定が可能となるため、発生源の特定・河川等の汚染形態の評価ができます。
・遺伝子解析法(DNA)の検出感度は、2個〜4個のクリプトスポリジウムで検出することが可能です。

本技術は、特に水道水源の安全性の確認調査等に有効であり、安全な水の供給に貢献できるものです。


RNAキットの性能

RNA定量キットRNA定量キットは、クリプトスポリジウム1個体から検出可能で、ヒトへの感染性(活性評価、生死評価)を有するクリプトスポリジウムだけを検出します。


検出例

遺伝子解析法の一例環境試料として河川水(原水)150L程度を用いて種および株を判定した結果の一例。本法の検出感度は、2-4個のクリプトスポリジウムで検出が可能であり、河川水(原水)などの発生源の特定・流域調査等に幅広く適用できます。
また、下水・海水・家畜排せつ物等の試料についてのクリプトスポリジウムの種および株の判定も可能であり、発生源の特定調査にも有効です。

37℃と55℃における各種サンプル中のC.parvum不活性化試験の結果

本キットにより、加熱によるクリプトスポリジウムの殺滅効果(活性の有無)を評価することができます。
また、様々な環境サンプル(河川水、下水、コンポスト、汚泥等)からの検出も可能です。


特許出願

「クリプトスポリジウム・パルバムに由来する核酸の検出方法」(特開2001-112480)
「クリプトスポリジウム・パルバムに由来するRNAの検出方法」(特開2001-112481)
「クリプトスポリジウムの検出用キット及び検出方法」(特開2003-33184)


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